書名:徳丸流神楽の成立と展開
副題: 民族音楽学的芸能史研究
叢書名: 
著者名:川崎 瑞穂 著
発行日:2018.02.26
ISBN:978-4-8042-0788-9 C3071 \8000E
判型:B5判
頁数:378頁
定価:本体\8,000円+税

本書の目的は至って明快である。神明社神楽を源流とするとされる三つの「徳丸流神楽」の歴史を明らかにすることである。三つの神楽の比較分析に加え、それらと秩父内外の芸能・儀礼との比較分析も行うことで、「徳丸流神楽」の成立と展開のプロセスを解明したい。そしてその方法として用いるのが民族音楽学である。ゆえに、本書の目的が達成された暁には、副題に示したような、民族音楽学的な芸能史研究の有効性が明らかになるであろう。本書はその挑戦の書でもある。(本書「はじめに」より)

<主な内容目次>
徳丸流神楽の成立と展開・目次
はじめに

序章
  第一節 里神楽研究における「視座」
  第二節 森林憲史による「テケテットン」研究の意義
  第三節 秩父地方の神楽の史的研究
  第四節 本書の目的

第一章 徳丸流神楽概説
  第一節 神明社神楽概説
  第二節 浅間神社神楽概説
  第三節 三峯神社神楽概説
  第四節 小括

第二章 神明社神楽における「伊勢神楽」源流考
  第一節 伊勢神楽の歴史的背景
  第二節 「国抵立座」にみる神明社神楽の古層信仰
  第三節 「国抵立座」の《へんぱい(テケテットン)》とその源流
  第四節 小括

第三章 徳丸がもたらした神楽と「上州神楽」
  第一節 徳丸伝承考
  第二節 神明社神楽「蛭児座」にみる上州神楽の影響
  第三節 「蛭児座」にみる旧荒川村の風俗
  第四節 小括

第四章 徳丸流神楽における演目の変容と生成
  第一節 徳丸流神楽における「岩戸開き」
  第二節 徳丸流神楽における「三神和合座」
  第三節 徳丸流神楽におけるヤマトタケル伝承を題材とした演目

第五章 徳丸流神楽における演目の中断と改編
  第一節 徳丸流神楽における養蚕を題材とした演目
  第二節 神明社神楽「三韓座(大和開座)」
  第三節 小括

終章
  第一節 徳丸流神楽の積層性
  第二節 民俗芸能の動態的側面
  第三節 民族音楽学的芸能史研究に向けて

参考文献

あとがき


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